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当院での看取りに対する考え

事前指示書(私の医療に対する希望書)とは?                      

 事前指示書とは、将来自らが判断能力を失った際、自分に行われる医療行為に対する意向を、前もって意思表示するための文書です。しかし、日本では倫理的な観点、死について話題にすることを避けるという文化的な観点から、まだ十分に認知されていないのが現状です。事前指示書は何回でも書き直すことができます。また、事前指示書の内容と家族の意見が異なる場合、基本的には事前指示書に記載されている本人の意思が最優先となります。日本での事前指示書は、未だ法的な拘束力がないとされているのが現状ですが、本人や家族の希望に沿うような処置や対応をするためにも意思表示を確認する必要があるのではないかと思います。

事前指示書の目的とは

 事前指示書の定義

  • ・自分自身が治療の選択について自分で判断できなくなった場合に備て
  •  どのような治療を受けたいか、もしくは医療処置を受けたくないか
  • ・自分で判断ができなくなった場合は誰に今後の治療について自分の
  •  代わりに判断してもらいたいかを、事前に明示しておく

 という目的の基に作成される文書です。最期まで自分らしく自分の望んだ治
療を受けられることを目的としています。

病気や事故で自分の気持ちを伝えられなくなったとき「もし、回復の可能性があるならばこの様にしてほしい、もし、その可能性がないのならばこの様にしてほしい」と、 状況に応じて、自分に対する医療行為の基本的指針を栄養摂取方法、治療の程度、心肺蘇生術の有無などに関して、元気なうちに「事前指定書」に書きとめることで医師や家族にしっかりと自分の意思を告げることができると思います。

但し、事前指定書を書くには大切な条件がいくつかあります。
  1.緊急時の医療行為の概要を知ること
 2.そのために、かかりつけ医と話し合うこと
 3.自分の考えを家族に伝えること

本人の意思の確認ができ無い場合  
  患者の意思確認ができ無い場合には、次のような手順により、医療・ケア
 チームの中で慎重な判断を行なう必要があります。


@    家族が患者の意思を推定できる場合には、その推定意思を尊重し患者に
  とって最善の治療方針をとること。

A    家族が患者の意思を推定できない場合には、患者にとって何が最善であ
  るかについて家族と十分に話し合い、患者にとって最善の治療方針をとる
  こと。

B    家族がいない場合及び家族が判断を医療・ケアチームに委ねる場合には患
  者にとっての最善の治療方針をとることを基本とする。


※最善の治療方針とは
 高齢者においては個人差が大きいこと、薬物に対する反応が一般成人とは異
なることなどの高齢者の特性に配慮した過少でも過剰でもない適切な医療及び
残された期間の生活の質
QOL)を大切にする医療およびケアが「最善の医
療およびケア」
であると考えられる。(日本老年医学会 立場表明
2012より)

※将来のケア計画を事前に立てようと話し合う場合、現在以降、最期に至るま
 で継続する医療・ケアについて心身の機能と、それが土台となって今後衰え
 ていくことを想定しプランを立てていくことが重要。            

                             
・辛い後遺症がでるような治療はしない。
・治療中の辛さも、あまり我慢したくない。
・食べられなくなったら終わりでよい。
・どうしてほしい、ほしくないか 
                         

 看取りにおいては、できる限り早期から肉体的な苦痛などを緩和するためのケアが行なわれることが重要です。残された命を延ばすことを考えるよりも最期まで患者が自身のQOLを少しでも維持してもらい、自分らしい生をまっとうして欲しいという考えが医療現場でも認知されつつあります。本人が住み慣れた場所で最期を過ごしたいと思っても家族がそれを受け付けないケースもあれば家族が看取りたいと思っても本人が入院を希望されるケースもあります。意思表示が確認できていない状況で状態が悪化し救急車を呼んだ場合救急車を呼ぶという行為は、積極的治療をしてほしいという意思表示でもある為、本人や家族の希望と沿わない処置をされることもあります。本人や家族の希望に沿うような処置や対応をする為にも意思表示を確認する必要があるのではないかと思います。

下図の様な書式の用紙を当院で用意し、記載後に患者様用(本人)・関係者用(施設・ケアマネ等)・医療機関用(当院や当院が処置依頼した医療機関等)の3部に各関係者の承認印を捺印の上で保管する事になります。

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